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野村克也がイチローを抑える為に、使った秘策とは?

「野球とは何か」と問われ、何人が明確に答えられるでしょうか。

私が問われたら、こう答えます。

「頭のスポーツであり、意外性のスポーツである」

1球投げて、休憩。

次の1球までにこんなに間合いが長いスポーツはほかにはない。

次の球、次のプレーに対して備え、考える時間的余裕があるわけです。

そして、お互いに読み合うことで、弱者が強者を倒す余地が生まれます。

頭脳を駆使し、知恵を絞って強者攻略に成功したのが、ヤクルトの監督として迎えた'95年のオリックスとの日本シリーズでした。

その年の開幕前に、阪神淡路大震災が発生し、イチローは震災からの復興を目指す神戸のシンボル的存在として、首位打者、打点王、盗塁王、最多安打、最高出塁率の打者5冠に輝いていた。

イチローを抑えることが、勝利への必須条件と考えた私は、スコアラー陣に攻略法の徹底研究を命じましたが、「わかりません。打たれるのは覚悟してください」と頼りない返答でした。

「ということは、『負けろ』ということか」と再研究を命じたが、結果は同じ。

それほどイチロー攻略法を探すことは難しかった。

そこで私は、メディアを使った心理戦に出ました。

テレビ出演を依頼されて、イチロー攻略法を聞かれたら、決まって「どうせ打たれるなら、内角中心に攻める。逃げて打たれるよりはいい。そのほうがすっきりする。」と繰り返しました。

効果はてきめんでした。

シリーズ最初の2試合、イチローはいつもよりわずかに体が開いていた。

あれほどの打者でも、事前に「内角を攻める」と繰り返し言われれば、自分では意識していないつもりでも、身体が反応してしまうものです。

最初の2試合でイチローを7打数1安打と抑え、主導権を握り、4勝1敗でシリーズを制することができました。