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宮本慎也がヘッドスライディングで伝えたかった事。

北京五輪アジア最終予選で川崎宗則が一塁にヘッドスライディングをしたのを、イチローが「かっこ悪い。アマチュアみたいなことをするな。」と怒った。

最近は「一塁へは駆け抜けた方が早い」というのが定着し、高校野球でもめっきり見る回数が減った。

プロ選手の多くは「やっぱり駆け抜けたほうが早いし、ヘッドスライディングはケガのリスクがある。心情としては川崎さんの気持ちも分からないではないけど、やっぱりイチローさんの言うことのほうが理にかなっている。」と語る。

 

しかし宮本慎也は「駆け抜けたほうが絶対に速いですか? ヘッドスライディングしたら、アンパイアがもしかしたら“セーフ”って、両手を広げてくれるかもしれないじゃないですか!」と猛反論。

クライマックス・シリーズへの出場権を巡って阪神、広島と激闘を続けていた9月28日。

直接のライバルとの対決となった阪神戦(神宮)の3回、遊ゴロを放った際に、一塁に猛烈なヘッドスライディングを試みた。

結果はアウトと親指の剥離骨折。

ヘッドスライディング直後、親指の痛みに思わずうずくまる宮本。

審判は高々と右手を上げ、一塁ベースに突いた右手親指には激痛が走った。

「イチローに怒られますね」

「でも、僕は試合に出ているからいいんです。

1試合休んでしまったけど、もう迷惑はかけない」

翌日の試合は欠場したが30日の阪神戦では右手親指に添え木を当てて、包帯を巻いたままの姿でショートを守った。

6回の第3打席では右前安打を放って、親指を骨折しているそぶりは全く見せなかった。

 

「0-2とか1-3とか真っ直ぐ一本に絞って待ってもいい場面で注文どおりに真っ直ぐがきてもバットが出ない選手がいる。

固くなっているんです。

こういう経験をもっとしないと、チームは強くならないですね。」

優勝争いの重圧、ここ一番で負けてはいけない試合を勝つ力。

修羅場をくぐり抜けていくために必要なプラスアルファをどういう風に若い選手に伝えていくか。

それがベテラン選手にとっての務めでもあると思っている。

だから宮本は自然と一塁にヘッドスライディングで飛び込んでいってしまったのかもしれない。

激痛をこらえてプレーを続ける宮本が伝えたかったもの。

「痛いとか投げられないとか見せたらいかんでしょう。

内角のボールにドン詰まって“うぉ~!”っていうことがあったけど、“顔に出したらいかん。

顔に出したらいかん”と思って、一塁まで走りました。」

イチローに怒られないためにも、チームの若い選手に勝つことの難しさを伝えるためにも。

一塁にヘッドスライディングすることが、決してマイナスにはならないことを、身をもって証明した。